落ちている、涙に濡れた日記帳。
もう、読めなくなっている部分もありそうだ。

チェルシーは恐る恐るそれを開いた。

「涙の日記帳」を。

一番最初のページは何が書いてあるのかよく分からなかったので、
二ページ目より読み始めたチェルシー。

そこにはこんなことが書いてあった。

○月○日
やっとグレバムの乱が終わって落ち着いてきた。
セインガルドに神の眼を運べばもう全てが終わるのね……。

もう、みんなとも会えなくなるのね……。

○月○日
神の眼の封印をしっかりこの目に焼き付けた。
誰も盗んだりしなければいいんだけど。
そしたらまたあたし、呼び出されちゃうもんね。

○月○日
クレスタに戻った。
シスターやチビどもに挨拶してすぐに寝たわ。
疲れちゃったしね。
今は……神の眼が不安だわ。


○月○日
もう、グレバムの乱から3ヶ月がすぎた。


嵐の前の静けさが感じられるのはあたしだけかしら?

○月○日
頭の中に不安がよぎった。
何かあるんじゃないかって。

本当に、怖い……。

(ルーティさんは、前から何かありそうって感じてたんですね……)

チェルシーはルーティに関心を抱きながら読んでいく。

○月○日
スタンたちがクレスタに来たわ。
まったく、来るなっていったのに。。。


あたしの予想してたとおり、また神の眼が盗まれたんだってさ。
あんなもの、なくなってしまえばいいのにって言うスタンの気持ちが分かった気がするわ。

○月○日
セインガルド王のところに行った。

どうやら神の眼は「リオン・マグナス」が盗んだらしいの。

国王陛下がクレスタの近くにある孤島に行けっていわれたから行ったわ。
何日くらいかかるかしら……。

○月○日
やっと孤島からでられたわ。
でも、あたしはうれしくない。


「リオン・マグナス」があたしの弟であたしたちを助けて死んだ……。

どうせならもっと早く言ってくれれば良かったのに!
あたしたちが姉弟だってこと。

そうすれば、あたしだってあんたにもっと優しくしたのに。

アンタのこと考えたのに!
ヒューゴのもとから遠ざけてもっと安心させてあげたのに!

ヒューゴにこき使わせなかったのに!


あたしはアンタを助けたかった。

だけど、結局助けられちゃうなんてね。

ごめんね、リオン――。


(私が代わりになっていたらどうだったんでしょうか?)
チェルシーはそう考えていたが結局泣き出してしまった。

ルーティの日記帳には、その時の自分の感情が細かく書いてある。
リオンのこともそうだし、他のことも。

「私、ルーティさんがこんなことを考えていたなんて、知らなかったです」

彼女はそう呟くと、誰が入ってきても言いように布団をかぶっておいおい泣き出した。