ずっとずっと忘れない。


     大切な人――。


     共に泣き「笑い会える」


     大切な人――



     私の



     大切な人……



白い、白い世界だ。


私はいつからそこにいたか覚えていない。



この世界はきっと


「何も知らない自分」



を表していると思っていた。




でも、やはりこの世界に私の居場所はない。



私は、長い年月の間この白い世界に閉じこめられていた。


いつになったらでられるのかも分からない。


なぜ私がココにいるのかも分からない。



結局、私が求めているものはなんなのだろうか。



自分の名前すら覚えていないから


記憶だろうか。



どこか他の世界に未練でもあるのだろうか。


それとも、私はもう、死んでしまったのだろうか。



私は何?



どこにいて、何をしていたの?


ココはどこ???



私しかいないの???


私は叫んだけれど誰一人として気づいてくれなかった。


そして二日位がすぎた。



『お前、私を覚えていないか?』


そんな声を聞いた気がした。

私は、その声の主を懸命に探したが、見えることはなかった。



『私の名はヴァン・グランツだ。

そして、お前の名は――』



「私の名は?」


私は無意識のうちに話しかけてきた男性に尋ねていた。



『お前の名は……



ティア・グランツだ』



ティア・グランツ???

そう言えば話しかけてきた男性の名前は、


ヴァン……グランツ……。


私とあなたは何か関わりがあるのですか?


もしかして親子とか?兄妹とかそう言う関係なのですか?



教えてください。


ヴァン・グランツさん。


あなたが唯一の私の助けなのです。


『お前は、ルークを。


ルーク・フォン・ファブレと離れてここに来たのだったな』


ルーク?


誰かしら???

聞き覚えのない名前を私は何度も繰り返した。



なぜか少し、落ち着くような気がした。


その名前は私の記憶を戻す助けになるのですか???


私を助けてくださるのですか?





「ルーク……ルーク……ルーク!!!」


あのときの方がルーク・フォン・ファブレ?


私と一緒に旅をしたあの人がルーク……。



それであってるのですか?


ヴァン・グランツさん。


あなたは私の記憶を取り戻す助けとしてきたのでしょう?


だったら教えてください。


ルーク・フォン・ファブレ……その人を。










私はそんなことを考えながら、しばらく寝ていた。



そして、目が覚めた。


私は全て思い出した。


ガイ。

ナタリア。


ジェイド。


アニス。


イオン様。


ミュウ。


兄さん。


リグレット教官。


そして、ルーク……。


あなたが私の探していた人で、





私の……



大切な人。