アイラは、隣の部屋のドアの前まできた。 そして「すぅ」と息を吸い込み、ノックした。 しばらくすると、ドアの内側の方から「誰だ」という少年の声が聞こえた。 「初めまして。 今日、こちらに来たアイラと申します」 彼女は簡潔にそう言うと部屋へ入った。 声の主はソファに腰掛けていた。 彼女は顔をのぞき込みようやく、リオン・マグナスであることに気が付いた。 その後、アイラはリオンの顔を見つめた。 端整な顔立ち。 細いウエスト。 そしてガラス玉のようで吸い込まれそうな薄紫の目。 彼女はいつも初めて会った人のオーラをみようとする。 「僕の顔に何か付いているのか」 「いえ、別に・・・」 いつもの癖だったため、適当に答えておく。 しばらくの間アイラはリオンの部屋にいた。 「何をしてるんだ」 「チェルシーが弓の調整をしているので、この部屋に来たんです」 リオンが聞いたので簡単に答えた。 「そんなことをしてるんだったら部屋に戻ればいいじゃないか」 彼の毒舌は厳しかった。 アイラは何も言わない。 話したいことがあったのに、だ。 まぁ、今のリオンの一言で忘れてしまったようだが。 そんなときにふと思い出した、言葉をつぶやく。 それは、いつもアイラが読んでいた詩集の中で 一番気に入っている詩だった。 「走っていこう 未来はきっと輝いている 誰のためでもない 自分の輝く未来へと 走っていこう たとえそこに何があったとしても ずっと 走っていこう この先の輝く未来へ 走っていこう」 彼女はこの詩をリオンに聞かせたかったのではなく、 ただ何となく呟きたかっただけだった。 (僕の、輝く未来ってなんだ? そもそも僕の未来は輝いているのか?) 彼はそんなことを考えて同じように呟いた。 「想いを言えない 言葉が紡げない だったら 何もしなければいいじゃないか そのまま死ねばいいじゃないか 「人殺し」の役割だった僕は 人生の最後だけ 楽しんだ 後は 別にどうでも良かった その時以外は 死んでいても良かった だが、僕は この世に生を受けてしまった 生きたくない 一度で良いから 「シニタイ・・・」」 (!!これがリオンさんの本心!? シニタイってどういうこと?) 彼女は無愛想で有名だったリオンの本心を知ってしまい、 なぜかちょっと悲しかった。 そして、アイラは言葉を紡ぐ。 「「シニタイ・・・」 それは誰のための言葉でもない 自分のためでもなければ 貴方に言うものでもない 私は「行きたい」 そして「生きたい」 その先の未来まで 決してあきらめず ずっと・・・」 リオンは黙って聞いていた。 そして、息を吸うと 「僕は 「シニタイ・・・」 誰かに 殺してほしい これで 悔い改めにはならないが 誰かに 殺してほしい もう ここには生きてはいけない存在なんだ たとえ生まれ変わっても 僕は必ず「人殺し」の役目だ そんな僕は もう この世に 「要らない・・・」」 途中からアイラは驚いていた。 どちらかと言えば 唖然としていた。 「リオンさん! どうしたんですか?」 彼はアイラに見つめられた。 そしてそっと微笑むと、 「お前・・・。 すまなかったな。 部屋に戻ればいいぞ」 と言った。 そして、ベッドに横になった。 アイラは 「リオンさん・・・。 また後で 来るから・・・」 とつぶやき長居した彼の部屋を後にした。 NEXT ヾ(⌒▽⌒ )ノ彡--------------------------
これは、いったい何なんでしょう。 彼女が選択した道、クレスタに来るということは、 あっていたの?間違ってたの?